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# 2.2 ReFi（再生金融）の現在地と課題

法定通貨やグローバルな金融システムの限界を乗り越えるべく、世界中で様々なオルタナティブ通貨の実践がなされてきました。その多くは、自治体やNPO法人、商店街などが独自に発行する通貨システムとして、特定の地域経済の発展やコミュニティの結束を促進することを主たる目的としていました。昨今では、ラナ・スワーツも述べていたように、カードやスマートフォンによる電子決済の普及、さらにはブロックチェーンやWeb3技術の台頭により、地域通貨のデジタル化が急速に進んでいます。デジタル化は、取引の透明性向上、管理コストの削減、決済スピードの飛躍的な向上をもたらし、オルタナティブな通貨の実践を後押ししています。中でも、FoRが参照する重要な先行事例として、ブロックチェーン技術を気候変動対策や社会課題解決に応用する「Regenerative Finance（以下ReFi）」という潮流を挙げることができます。

ReFiプロジェクトの多くは、ブロックチェーンによる金融のしくみを利用して、自然が持つ価値をデジタルトークン化し、誰もが国境を越えて簡単に投資や支援をできるようにするための持続可能な経済圏の構築を目指しています。「地球や社会に良いことをした人が、経済的にも正当に報われる」という新しいインセンティブの構造を作り出す、次世代の金融基盤として近年注目されてきました。現在では、カーボンクレジット（温室効果ガス排出権）をトークン化して取引のハードルを下げるプロジェクトや、その収益を環境再生型の農業を実践する農家に直接資金を分配するプロジェクトが実用化されています。

ReFiの隆盛により、デジタル化したカーボンクレジットの交換機能は向上しましたが、同時にいくつかの課題も指摘されるようになりました。第一に、従来のプロジェクトの多くは、地球規模の「炭素量」という抽象的な単位に焦点を当てていましたが、単一の指標だけでは、生物多様性の豊かさや、その森が地域社会に提供している水源涵養機能、土砂災害防止機能といった生態系サービスの持つ多面的な価値を捉えきれないという限界が指摘されています。

第二の課題として、自然資本をトークン化することによる「過度な金融商品化」と「投機的なマネーの流入」が挙げられます。ReFiは環境保護に経済的インセンティブを与えるしくみですが、暗号資産市場特有の価格変動の激しさゆえに、純粋な環境保護ではなく短期的な利益獲得のみを目的とした投機筋が参入しやすい構造を持っています。その結果、トークンの価格が乱高下して現地の環境保全プロジェクトの資金繰りが不安定になったり、本来守るべき自然環境が単なるマネーゲームの道具として扱われてしまう事態を引き起こす危険性が指摘されています。

第三に、生態系は極めてローカルなものです。アマゾンの熱帯雨林と日本の里山では、抱える課題も必要なケアも異なります。日々の観察や、微細な変化への気づき、地域固有の技法の継承といった小さなケア行為の多くは定量化し難いものです。「計測→報酬」モデルを採用するReFiは、グローバルに流通する法定通貨と同様、数値化できない地域ごとの個別性を単一化してしまう可能性があります。エスコバルの存在論に照らし合わせれば、極めて複雑な相互依存システムを、単一の数値へと従属させてしまう危険性を孕んでいます。

必要とされているのは、資金の増加とともに、実体のあるローカルな活動へのサポートです。これらの課題を克服し、単なる投機ブームで終わらない持続可能性を担保できるかが、ReFiの今後の大きな試練とされています。

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**ReFi事例**

Regen Network

* &#x20;<https://www.regen.network>
* 衛星データや測定技術を駆使して、土壌炭素や生物多様性などのエコロジカルクレジットを生成するプラットフォームです。土壌の再生や森林保護などに取り組む地域の農家やコミュニティへ、ダイレクトに利益とインセンティブを分配する仕組みを実用化しています。

KlimaDAO（クリマダオ）

* &#x20;<https://www.klimadao.finance>
* 炭素クレジットで裏付けられたデジタルトークンを用い、気候資産のオンチェーン流動性市場と、環境再生プロジェクトへの自動的な資本流入エコシステムをリードする自律分散型組織（DAO）です。

Grassroots Economics（グラスルーツ・エコノミクス）

* <https://grassrootseconomics.org>
* ケニアの農村やスラムで広く実装されている草の根の地域通貨開発プロジェクトです。国家の法定通貨に依存せず、コミュニティ内での「約束」に基づいた地域通貨をブロックチェーン上で流通させています。


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